愛の勝利を ムッソリーニを愛した女(VINCERE)

壮絶な狂乱の愛を支配者に捧げた女。
若きムッソリーニ役の眼力も半端無く、
支配者になる人間としての振る舞いにあっぱれ。
主役のイーダ役も同じく、何て素敵な表情が出来るんだろうと思う。
眼で語り尽くした演技や、狂乱に陥る女をホント見事に演じきってて、
終始高揚感が止まらなかった!

ムッソリーニに裏切られた後は、
実際の記録の中のムッソリーニしか現れず、もぅ彼女とつながるムッソリーニは存在しなくなる。

それでも愛し憎み、全部を尽くした彼女は、ホントに狂ってたのかな?
実在の愛人に焦点を置いて描くムッソリーニという支配者と、彼を取り巻く社会と、彼を愛しすぎた愛人の末路。

音楽がどんどん気持ちを高揚させるし、
圧倒的な演技を見せつけられ、
役者のパワーを久しぶりにスクリーンで目の当たりにしたような、そんな気分になった。